リースバック、高齢者の契約トラブル急増
リースバックの危険性について
持ち家を売却した後も賃貸として住み続けられる「リースバック」。
近年、このリースバックを巡る高齢者の消費者トラブルが急増しています。
まとまった資金を手に入れられる一方で、契約内容の不理解によって
予期せぬ退去を余儀なくされるケースも多発しています。
突然の退去命令の現実
関東地方の消費生活センターには、80代の女性から次のような相談が寄せられました。
「オーナーから突然、2年で退去してほしいと言われてしまって……」
この女性は自宅マンションを1500万円で不動産業者に売却し
月12万円の家賃を払いながら住み続ける契約を結んでいました。
しかし、後になって気づいたのは、賃貸契約が更新できない定期借家契約だったということです。
通常の賃貸契約(普通借家契約)とは異なり、定期借家契約は契約満了後に更新ができません。
契約期間は2〜3年が一般的で、満了後は退去が必要です。高齢者にとって新たな住まい探しは
大きな負担となり、長く住み続けるつもりだった方にとっては大きな問題です。
国土交通省の調査結果
国土交通省が2024〜2025年に行った実態調査では、リースバック事業の約48%が
定期借家契約を採用していると報告されています。特に65歳以上の高齢者世帯の利用が多く
周辺相場の6〜7割の価格で買い取られるケースが多いとされています。
リースバック物件は賃貸期間中の運用ができないため、買い取り価格が低くなる傾向があります。
また、全国の消費生活センターへの相談件数も急増しており、2023年度の相談件数は227件に上り
2019年度の19件と比較して約12倍の伸びを示しています。相談者の多くは70代以上の高齢者で
内容の理解不足から契約してしまうケースが目立ちます。
契約トラブルのリスク
リースバックの契約では、修繕費用やクーリングオフに関するトラブルも報告されています。
- 通常の賃貸契約では家主が修繕費用を負担するのが一般的ですが
- リースバックでは借り主(元の所有者)が負担するケースが多いです。
- 訪問販売などでの契約には「クーリングオフ」が適用されますが
- リースバックは対象外です。そのため、一度契約すると簡単に解除することはできません。
国土交通省もトラブル防止のためにガイドラインを作成し、注意点を明確にしていますが
実態調査では十分な説明がなされていない事業者が4割に上ることも明らかになっています。
まとめ
リースバックは、まとまった資金を手に入れながら住み続けられる魅力的な制度に見えますが
その裏には多くのリスクが存在します。特に、高齢者の方が契約内容を十分に理解せずに
契約を結んでしまうことで、予期せぬ退去や金銭的なトラブルに巻き込まれるケースが増えています。
マイレ不動産では、こうしたリスクを踏まえ、リースバックは最終手段として
慎重に検討するべきだと考えています。特に、老後の生活を安定させるためには
他の売却方法や資金計画も含め、最適なプランをご提案いたします。
不動産売却をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。安全かつ安心な取引をご提供いたします。